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ニート(若年無業者)数の推移 [労働・賃金]

学校を卒業してからも、特に仕事に就くことなく「無業」状態になっている若者、
いわゆる「ニート(NEET; Not in Employment, Education or Training)」者数が
2002年以降で大きく増加しています。

総務省統計局『労働力調査』のデータを基にした『労働経済白書』によると、
ニートの定義は、15~34歳の非労働力人口のうち、「家事」も「通学」もしていない
「その他」に分類される者を指しています。

この「ニート」の数が、2002年に大きく拡大しています。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/2.htm

全体の構成比からわかることは、1993~1997年頃の、
バブル崩壊後の就職難の時期に就職できなかった(しなかった)層が
そのまま年齢を重ねても職に就かず、
さらに2002年以降に再度15~34歳の層全体にわたって無業者数が拡大するという構造が、
今日のニート数拡大につながっているようです。

「格差」問題が議論されていますが、まさしく小泉首相時代に、
ニート者数が拡大しています。

図:ニート(若年無業者)数の推移

出所:総務省統計局『労働力調査』より作成

また、地域別に見ると、南関東(19万人)、近畿(13万人)、九州(7万人)が多くなっていますが、
15-~34歳人口に占めるニート数の比率は、近畿(2.4%)、北海道(2.2%)、中国(2.2%)などで
高くなっていることがわかります。
もっともニート比率の高い近畿の場合、約42人に1人がニートということになりますので、
およそ1学級に1人弱がニートになるという確率になります。

図:ニート(若年無業者)数の地域別構成

注:「人口」は15~34歳人口
出所:総務省統計局『労働力調査』より作成

北海道     北海道
東北       青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
南関東     埼玉、千葉、東京、神奈川
北関東・甲信  茨城、栃木、群馬、山梨、長野
北陸       新潟、富山、石川、福井
東海       岐阜、静岡、愛知、三重
近畿       滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
中国       鳥取、島根、岡山、広島、山口
四国       徳島、香川、愛媛、高知
九州       福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


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若い世代でも進む格差の拡大 [労働・賃金]

昨今、格差社会の問題が多く報道されていますが、
正確な統計数値に基づく議論は必ずしも多くありません。
特にジニ係数(所得配分の不平等度を示す指数。大きくなるほど不平等度が高い)が
近年上昇しているという議論に対して、
政府・与党は「少子高齢化が進み、所得格差の大きい高齢者層が拡大したため」
と答弁しています。
では果たして、若い世代においては格差が本当に拡大していないのでしょうか。

厚生労働省が公表している『賃金構造基本調査
いわゆる「賃金センサス」を詳細に分析すると、
興味深い事実が明らかになりました。
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexkr_4_8_1.html

男性の世代別賃金格差を測るために、
所得の最も高い10%と、所得の最も低い10%の層の賃金格差を計測してみると、
平成13年以降平成17年まで、
確かに世代が上昇するにしたがって格差は拡大していますが
(20~24歳世代では1.5倍強であるのに対して、
45~49歳世代では2.7倍の給与格差があります)、
同一世代内においてもわずかずつですが
毎年徐々に格差が広がってきていることが読み取れます。

図 世代別賃金格差の推移(上位10%と下位10%の格差、男性)

厚生労働省『賃金構造基本統計調査(賃金センサス)』(各年版)より作成

わずかとはいえ、若い世代においても格差が課題しているという問題に
どのように対処していけばよいのか、
まずは正確な事実認識からスタートする必要がありそうです。


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毎月勤労統計調査[地方調査] [労働・賃金]

厚生労働省が7月28日に発表した
「毎月勤労統計調査[地方調査]」平成17年分結果概要によると、
都道府県別にみた給与格差が大きく存在していることが明らかになっています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/17/year.html

以下のデータは、上記ウェブサイトに掲載されている数値を
改めて分析したものです。

1.全産業については、
①従業者5人以上の事業所で、
 全国平均で総労働時間数が月間150.2時間、
 現金給与総額が月間334,910円(時給換算2,230円)。
②従業者30人以上の事業所では、
 全国平均で総労働時間数が月間152.4時間、
 現金給与総額が月間380,438円(時給換算2,496円)。

従業者数のより大きい事業所の方がわずかに労働時間数は長いものの、
時給換算での給与は大きくなっています(時給あたり266円の違い)。

時給が全国平均(100%)よりも高い都道府県は、
①従業者5人以上の事業所では、
 東京 (129.8%)
 神奈川(112.6%)
 愛知 (108.4%)
 大阪 (108.1%)
 茨城 (101.5%)
 千葉 (101.4%)
の6都府県であり、
時給がもっとも高い県(東京都2,895円)と
もっとも低い県(沖縄県1,660円)を比較すると、
約1.7倍の差が存在しています。

②従業者30人以上の事業所でも同じく、
 東京 (129.5%)
 神奈川(114.4%)
 大阪 (108.5%)
 愛知 (106.6%)
 千葉 (101.3%)
 茨城 (101.0%)
の6都府県に限られています(順位は若干入れ替わっています)。
時給がもっとも高い県(東京都3,232円)と
もっとも低い県(沖縄県1,793円)の差は、
約1.8倍と、事業所規模が大きくなるとわずかに拡大しています。

2.製造業については、
①従業者5人以上の事業所で、
 全国平均で総労働時間数が月間165.4時間、
 現金給与総額が月間380,885円(時給換算2,303円)。

②従業者30人以上の事業所では、
 全国平均で総労働時間数が月間166.8時間、
 現金給与総額が月間419,656円(時給換算2,516円)。

労働時間数・現金給与総額・時給換算金額の関係は
全産業の場合と同じであるものの、
製造業の方が全産業よりも時給換算での給与額が高いことがみてとれます。

時給が全国平均(100%)よりも高い都道府県は、
①従業者5人以上の事業所では、
 東京 (130.1%)
 神奈川(120.5%)
 愛知 (109.9%)
 大阪 (109.1%)
 千葉 (107.4%)
 茨城 (100.6%)
の6都府県となっていますが、
時給がもっとも高い県(東京都2,997円)と
もっとも低い県(沖縄県1,270円)を比較すると、
約2.4倍と大きな差が存在しています。

②従業者30人以上の事業所では、
 東京 (130.7%)
 神奈川(119.7%)
 大阪 (113.3%)
 愛知 (108.9%)
 千葉 (107.5%)
 兵庫 (106.0%)
 三重 (106.0%)
 奈良 (105.3%)
 栃木 (101.9%)
の9都府県と増加しています。
時給がもっとも高い県(東京都3,288円)と
もっとも低い県(沖縄県1,3350円)の差は、
事業所規模が大きくなるとわずかに拡大して、約2.5倍となっています。

時給の格差は、全産業よりも、製造業においての方が大きくなっています。


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