消費者金融の貸付残高からみる経済状況 [くらし]
昨今、グレーゾーン金利問題に関して、「貸金業法(貸金業の規制等に関する法律)」の
改正を巡る活発な議論が行われています。
依然として預金金利が極めて低い状況にある一方で、
年率20%を超える金利での少額短期貸付が多数行われており、
多重債務者が増加しているといわれています。
問題として取り上げられることの多い消費者金融は、近年どのように変化してきたのでしょうか。
金融庁の「貸金業統計資料集」によると、消費者向貸金業者の貸付金残高は、
大部分を無担保貸金業者による貸付金が占めています。
貸付残高自体は平成15年以降減少の傾向にありますが、
一方で、利用者の一人当たり残高を見てみると、その額は増加傾向にあります。
つまり、一部の人がより多くのお金を借りるようになってきているわけで、
賃金の上昇があまり見込めない中、貸付金の返済が困難になるという危険性が高まっている
ということを注意深く見守らなければならなくなっています。
図表:消費者向貸金業の貸付残高の推移
注:消費者向住宅向貸金業者については除いている
出所:金融庁「貸金業統計資料集」(平成18年3月)
図:1業者による一人当たり平均消費者向貸付残高
出所:「貸金業制度等に関する懇談会(第17回会合)」(平成18年4月21日)事務局提出資料